個人再生手続の使い分け

債務整理に個人再生手続を選択する自己破産の場合、破産手続開始決定がなされると資格制限があり、仕事ができなくなる職業があります。

しかし、個人再生手続の場合、自己破産のような資格制限はありません。このため、自己破産をすると職業上都合が悪い場合、個人再生手続を利用することも選択肢になります。

一方、個人再生手続は住宅ローンを抱えている場合、自己破産の場合は住宅についても清算する必要がありますが、個人再生手続であれば、住宅ローン特別条項を利用すれば、住宅を維持しながら債務整理をすることができます。

また、任意整理では債権者全員の合意を取り付ける必要があります。一部の債権者だけと和解し、残りの債権者だけを対象に自己破産を申し立てることはできないからです。

このため、非協力的な業者がいて任意整理が困難な場合、個人再生手続を選択さざるを得ない場合もあります。

個人再生手続選択の基準

個人再生手続には「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」の2手続ありますが、いずれも選択することができる場合、何を基準に選択すればよいのでしょうか。

小規模個人再生における再生計画案では、債権額の1/5以上の額を3年間(36回)にわたって返済を続ける必要があります。

一方、給与所得者等再生では可処分所得の2年分以上の額を3年間(36回)で返済する必要があります。

したがって、両者の基準にそって返済額を算出し、返済額の低い方を選択すればよいといえます。債務者が独身の場合、可処分所得の額が高額になることがあるため注意が必要です。

弁護士法人アドバンス