貸金業を規制する法律

貸金業を規制する法律には、貸金業法、出資法、利息制限法があります。このうち、貸金業規正法はサラ金、商工ローン、ヤミ金融など貸金業者の業務を規制する法律です。

貸金業者とは、お金を貸す業務を行っており、財務局又は都道府県に登録をしている業者のことをいいます。貸金業法では、借り過ぎ・貸し過ぎを防ぐために、貸金業者からの借入残高が年収の3分の1を超える場合は、新たな借入れはできなくなる総量規制を設けています。

利息制限法は、民事的効力の限界となる金利について定めています。利息制限法の上限を超えた金利は無効となります。

出資法は貸金業者の貸付金利に関し刑事罰の対象となる金利の限界を定めています。平成22年6月18日以降、出資法の上限金利が20%に引き下げられ、いわゆるグレーゾーン金利が撤廃されました。

利息制限法

利息制限法とは、金銭を目的とする消費貸借上の利息と賠償額の予定等について規制を加えた日本の法律です。

利息制限法は1条で金銭消費貸借契約の利息の上限について定めています。それによると、
①元本の額が10万円未満の場合:年2割(20%)
②元本の額が10万円以上100万円未満の場合:年1割8分(18%)
③元本の額が100万円以上の場合:年1割5分(15%)
であり、この利率により計算した金額を超える部分の利息については無効とされています。

また4条では遅延損害金について定めています。期限までに返済できない債務不履行があった場合には、1条の利息の1.46倍までの遅延損害金を債務者からとってもよいとされています。

遅延損害金の利息は具体的に計算するとかなり高い利息になります。計算すると、
①元本の額が10万円未満の場合:年2割9分2厘(29.2%)
②元本の額が10万円以上100万円未満の場合:年2割6分2厘8毛(26.28%)
③元本の額が100万円以上の場合:年2割1分9厘(21.9%)

この利息額は改正前の出資法の利率に近いものであり、したがって、一度返済が滞り遅延損害金が発生してしまうとさらに返済が難しくなります。

出資法

出資法とは、正式には「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」といい、出資金の受入れ、預り金、浮貸し、金銭貸借の媒介手数料、金利について規制する法律です。

かつて、出資法の上限金利は年29.2%だったため、利息制限法の上限金利との間にグレーゾーン金利とよばれる金利帯が存在していました。返済金のうちグレーゾーン金利に該当する部分は、利息制限法上は無効で支払う義務はありませんでした、

しかし、出資法上の罰則はなく、また、任意に支払った場合には返還を請求することができないとする旧「みなし弁済規定」などにより金融業者はグレーゾーン金利部分の返済を受けてきたのです。

しかし、2006年に貸金業法が改正され、出資法の上限金利を利息制限法の上限金利まで引き下げることとなり、現在ではグレーゾーン金利は撤廃されています。このグレーゾーン金利で借入し、支払すぎた金利は「過払い金」として返還請求することができます。

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